図=AERA 2019年4月8日号より
図=AERA 2019年4月8日号より
図=AERA 2019年4月8日号より
図=AERA 2019年4月8日号より
FOLIOで買えるテーマ投資の例(AERA 2019年4月8日号より)
FOLIOで買えるテーマ投資の例(AERA 2019年4月8日号より)

 投資は貯金に走りがちな日本人にとって縁遠い存在だった。いま、スマホで簡単に投資できる「スマホ証券」を運営するベンチャー企業が、あの手この手で初心者や若年層を取り込み始めている。

【FOLIOで買えるテーマ投資の例はこちら】

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「どんな企業を選べばいいかわからない」という人に向きそうなのが、18年8月にサービスを開始した「FOLIO(フォリオ)」の「テーマ投資」だ。投資先は個別の企業や投信ではなく、「テーマ」で選ぶ。「VR(仮想現実)」「5G」といった旬の投資テーマから「ペットと暮らす」「子育てを楽しく」といった身近なものまで、約90のテーマを用意した。甲斐真一郎CEO(37)は、テーマ投資のメリットをこう説明する。

「株や投資信託は何千もの選択肢があり、初心者には絞り込みすら難しいものです。それでも『テーマ』であれば、成長を期待できるものや応援したいと感じられるものを見つけやすい」

 ひとつの投資テーマは10の個別銘柄で構成され、どれも10万円程度の資金で投資が可能だ。たとえば「アンチエイジング」というテーマは、コーセーや花王、資生堂などおなじみの化粧品会社のほか、ヒアルロン酸の原体メーカーである生化学工業や化粧品コミュニティーサイトのアイスタイルなど10社が、全部合わせて10万円前後になるよう1株単位で組み込まれている。ワンタップバイと同様、フォリオがこれらの企業の株式を在庫として持ち、投資家に販売する方法を取っている。

 アプリでは難しい専門用語を極力なくし、ネットショッピングのような感覚で使えるインターフェースにもこだわった。投資したいテーマを選んだら、タップするのは「買付」ボタンではなく、「カートに入れる」ボタンだ。6月までの期間限定で、1万円から始められる「ミニテーマ」という商品も用意した。

 フィンテックを活用した資産運用といえば、ロボットが自動でその人に合った世界分散投資をしてくれる「ロボアドバイザー投資」が定着してきた。金融や資産運用の知識がなくてもリスクを抑えた投資が自動でできるのがメリットで、同社でも「おまかせ投資」のサービス名で提供している。

 同社はこのロボアドバイザー投資のハードルを極限まで下げた新サービスを、19年春に投入する予定だ。LINEを通して500円から積み立て投資ができるその名も「ワンコイン投資」というサービス。

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