「10~20代は部活動、30~40代はジョギングなどによって腱炎を引き起こしやすいです。コロナ禍にはビギナーズランナーの急増で、ひざの前側が痛む膝蓋腱炎やひざの外側が痛くなる腸脛靱帯炎によるひざの痛みを訴える人が増えました」(勝山医師)
いずれも日ごろ運動不足の人が準備運動もせず、ランニング用のシューズも履かずに、ランニング向きでない道を急に走ったりすると起こしやすいという。軽症なら、適切なストレッチや準備運動でコンディションを整えて運動を続けるうちに治ってしまうことも多い。
不適切な運動が原因でひざの内側が痛む疾患にはこのほか、「鵞足炎」という症状もある。ひざの内側の少し下にある鵞足部の筋肉の炎症だ。ランニングなどのスポーツを繰り返している人に多いひざの慢性障害だが、中高年の女性にも多くみられるという。
「中高年の場合は変形性膝関節症を伴っての発症が多いです。ひざを外側に向けたときに痛むようなら可能性があります」(同)
ひざの痛みは年齢やその原因によっても千差万別といえる。痛みが出たら自己判断せず、早めに病院を受診したい。
(文・石川美香子)
※週刊朝日2023年4月14日号より