「コンビニ百里の道をゆく」は、49歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
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1月19、20日は平成最後の大学入試センター試験。まだ共通一次試験という名称だった30年も前のことですが、私も試験を受けた一人なので、そのころの気持ちが思い出されます。
兄妹が私学に通っていたこともあり、私はなんとなく「大学は自宅に近い国公立に行こう」と勝手に忖度(笑)して、実家から歩いて通える大阪大学を受験しました。
共通一次試験では、マークシートの勘が大当たり、予想以上の点数が取れました。当時、大阪大の試験では共通一次の重点配分をしている枠があり、「ここだ」と思い受験をしたら、無事に合格しました。
とはいえ、大学生活は決して華やかではなく、どちらかというと地味。私が在籍した経済学部には、女子学生がクラスに数人しかおらず、そこに男子が群がるという状況でした(笑)。あまり勉強熱心ではなく、早朝からゴルフ部での活動に明け暮れ、日中はキャディーのアルバイトをして日銭を稼ぐ毎日でした。
転機となったのは、3年生終了時に1年間行かせてもらった米ポートランド州立大学への留学です。
ここで世界から集まった学生たちの学ぶ意欲や積極性、多様な価値観に触れたことで、私も気持ちが切り替わりました。帰国後は足りなかった専門課程の単位を取るべくそれなりに勉強して、就職活動も真面目にやりました。人間やればできる、という自信にもつながりました。
今は大阪外国語大学と統合されたことで、大学も様変わりしています。
少し前に大阪大の豊中キャンパスに出店したローソンに視察に行くと、女子学生も多く、キャンパスもきれいで華やかになっていました。私がアメリカ留学で感じた雰囲気が、今の大阪大にも感じられ、懐かしさとうれしさが込み上げてきました。
まだ入試シーズンは続きます。受験生のみなさん、自分を信じて最後まで諦めずに頑張ってください。
※AERA 2019年1月28日号