「コンビニ百里の道をゆく」は、49歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
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明けましておめでとうございます。いよいよ2019年ですね。今年も本連載をよろしくお願い申し上げます。
私には年始の恒例行事があります。ダイエーの創業者で、ローソンの生みの親である中内功さんのお墓参りです。昨年も元日の午後、兵庫県芦屋市にあるお墓に「無事に仲間と共に新年を迎えることができました。今年もがんばります」と感謝の気持ちをお伝えしました。中内さんがアメリカから日本にローソンを持って来てくださったからこそ、今がある。全国1万5千店舗の仲間、社員とこうしてローソンで仕事ができていることを墓前で感謝申し上げて、私の1年はスタートします。
昨年はとても災害が多い1年でした。北陸・福井の豪雪、大阪北部地震、西日本豪雨、台風21号による水害、北海道胆振東部地震など、立て続けに災害に見舞われました。それら災害に対応する中で、ライフラインとしての私たちの仕事の重要性も再認識でき、停電への備えなども含めて次に生かすべき学び、教訓も多かった1年でした。
三が日の年始巡回では、災害の被害が大きかった愛媛県に入り、それから岡山県、広島県などを回る予定です。大変な状況でお店を続けて頂いたオーナーの皆さんとひざを突き合わせてじっくりと話をすることで、新年早々パワーをもらえることと思います。
昨年は「デジタル元年」として、ロピックの開始、自動釣り銭機付きPOSレジの全店舗設置やスマホ決済の導入などを進め、一定の成果を確認できました。物流を改良して店舗の夕夜間帯での品揃えを増やしたことも売り上げ増につながり、今年はそれを加速していきたいと考えています。とはいえ、人手不足がすぐに解消されるわけではありません。今年早々には、大幅にマンパワーを減らせる店舗の実証実験を始める予定です。
新たな中期経営計画と昨年行った技術改革をベースに、19年はより実践的に、劇的に店舗運営を変えていく1年にしたいと思っています。
※AERA 2019年1月14日号