目の前に金髪の若者が2人、並んでいる。1人はいわゆるベリーショートなのだが、もう1人は……説明しにくい。おかっぱ頭の頭頂部だけがつんつんと短く、毛先が天を向いている。
「今年の夏、チャンネル登録者数が1万人に届かなかったら、美容院で最高にキモいヘアスタイルにするっていう企画をやったんです」
なるほど、その髪形が伸びたのね。ちなみに現在の登録者数は1万5千人超だそうだ。
彼らの名はバンカラジオ。早稲田大学国際教養学部2年生のきいた(20)と、同大文学部2年生のやねすけ(21)を中心としたユニットだ。本格的な活動は今年1月から。主に受験ネタ、大学生活ネタを中心に、週4本ペースで投稿している。当初は日本縦断ヒッチハイクなど体を張ったネタにも挑戦したが、自分たちの価値は「そこにはない」と気づいたという。
「1浪して早稲田に入った、その経験が強み。勉強法だとか浪人生活のノウハウが喜ばれる」(やねすけ)。しかしそれだけでは受験生しか見てくれない。そこで「勉強×エンタメ性」を売りにすることにした。
過去最高の60万超という再生回数を記録したのは「ハロウィンの渋谷で勉強したらテストの点数どのくらい上がるの?」。酔っ払いや仮装ギャルに絡まれ、陽気な外国人から励まされ、通りすがりの小学生からはお菓子をもらった。たまたま現地にいた「月曜から夜ふかし」(日本テレビ系)にも取材された。
「地上波の番組に3秒映っただけで大反響。やっと少し認知され始めたなと思ってたんですが、やっぱりテレビってすごいですね(笑)」(きいた)。そろそろどこか事務所に所属しようかとも考えている。
Bonitos TVは、会社員のパパ、専業主婦のママ、長女のかのんちゃん(8)、長男のりんたん(5)の家族ユニットだ。投稿を始めて約3年。コンテンツは大きく分けて2種類。おもちゃで遊んだり、公園で鉄棒に挑戦したりする「日常動画」と、パパが創作した台本に沿って子どもたちが演じる「ショートフィルムタイプ」だ。