ヒップホップ・アクティビストのZeebraさんが「AERA」で連載する「多彩な野菜」をお届けします。1997年のソロデビューからトップとしてシーンを牽引し続け、ジャンルや世代を超えて多くの支持を得ているZeebraさん。旬の野菜を切り口に、友人や家族との交流、音楽作りなど様々なエピソードを語ります。
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見た目があまりにも「緑」じゃないですか。形もギザギザと迫力があって、あれが子どもをびびらせる。だから、ホウレンソウが嫌いな子がいるっていう前提があって、アニメの「ポパイ」もその前提で作られている気がします。でも僕は小さい頃から、嫌いな子がいる中で「俺、食べられるよ!」と。そんな「自分は大人びている」という感覚が好きでした。4月2日生まれなので、クラスで一番身体が大きい。幼稚園の名簿が誕生日順で、いつも一番最初なのが誇らしかったですね。
大人になった今好きなのはホウレンソウのカレー! 10代のころ裏原宿に「Ghee(ギー)」っていう店があってよく行きました。スタジオが近くていろんなミュージシャンが出入りして。オーナーもクラブでDJやったりしててね。そこでバイトしていたのが人気ブランド「A BATHING APE」を立ち上げたデザイナーのNIGO君です。彼が開いた「CURRY UP」という店では「Ghee」の味が再現されているので、時々食べに行きます。形が残るぐらいホウレンソウがザクザク入ってて、うまいんですよ。
※AERA 2018年12月24日号