PTAの負担があまりにも重く、退会を申し出る親が増えている。だがその代償は大きい。子どもが理不尽な目に遭うケースもあるのだ。子どもたちのために活動する組織で、本末転倒な事態が起きている。
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「ある日、子どもが学校からしょんぼりして帰ってきました。朝いつもの時間に集合場所へ行ったら、『自分が入る登校班がどこにもなかった』って。親がPTAをやめたことで、なぜ子どもが登校班をはずされなければならないのでしょうか……」
こう話すのは、中部地方のある小学生の母親だ。彼女は、もともとPTAの委員会で副委員長をしていた。
「仕事は簡単」と聞いて引き受けたが現実は違った。集まりが多いときは週3回ほど学校へ。下の3歳の子を連れているのに、帰宅が夜9時半をまわることもあった。歓送迎会は参加必須。子どもが感染症にかかり「休んでいいか」と問い合わせたが、「来なかった人は代々語り継がれている」と言われ、やむなく参加した。
強制的で負担があまりにも大きいことに疑問がふくらんだ。次の年度は委員長になる可能性もあるとわかり、「これ以上は無理だ」と思い、会長に委員長を決めるくじ引きの免除を申し入れた。だが、確約してもらえなかったため、非会員になることを決めた。