
なりきり芸のツートップといえば、友近とロバートの秋山竜次。2人はその独自の世界観を生かし、純国産にこだわり抜いた番組「国産洋画劇場」という新たな試みを開始した。クセが強い人物を演じるネタを得意とする彼らが、その着想の秘訣などを語ってくれた。
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──国産で洋画を作るという発想もそうですが、お二人とも独自の世界観を持っている。ここまではいいけど、これ以上は理解されないだろうとか、表現の境界線は考えますか?
友近:よく「マニアックなことするね」って言われるんですけど、自分としてはそういうことでもないんですよね。こういうヤツいるでしょ、とキャラクターにしてる感覚なんで。誰もが見たことあるけど、同じアンテナを持つ人にだけ引っかかるネタというか。そのアンテナが秋山さんとはまったく同じやから、遠慮なくやれるんやと思う。
秋山:一緒に仕事してて、あいつ鼻につきますな、という人を見つける感覚も似てますよね。
友近:似てる。挨拶の仕方や座り方ですぐ「あ!」って気づく。
秋山:見つけるフィルターの目がすげえ細かいから、すぐ詰まっちゃう。それを発散したくてネタにすることも多いですね。
友近 そうそう、そうです。
──秋山さんはクセのある人物になりきる「クリエイターズ・ファイル」が注目を浴びていますが、それもそんな着想で?
秋山:あれは発散もあるけど、勝手に決めつける感じですね。引っかかる人の風貌とかをメモしておいて“凝縮”する。あえて調べたりはしないんです。最近「魔性の女詐欺師・押上希江」をやったんですけど、やたらと男性が騙されるのって決して美人じゃなかったりするじゃないですか。そういう顔から考えて。服はこんなだろうなとか。
友近:あの顔すごかった! そのもので。床上手そうやし。
秋山:床上手でしょうね。
友近:この完成度を月イチでやれるのがすごいと思いますね。
──お二人のネタはクセが強い人物を扱うわりに広い層に支持されている。攻めつつも悪意を感じさせないギリギリの際というのはあるんでしょうか。