萩市のむつみ演習場は日本海岸から約10キロ内陸で、北約1キロに集落がある。大出力のレーダーは水平線上に現れる弾道ミサイル監視のため、低い角度で電波を出し続けるから健康への障害が案じられる。防衛省は「レーダーのSバンドは無線LANにも使われるから安全」と地元に説明するが、Sバンドは電子レンジにも使われ熱を出す。無線LANの出力は100分の1ワット、イージス用のレーダーは最大4百万ワットで4億倍の出力だから説明はインチキだ。

「レーダー電波を浴び続けると女の子しか産まれなくなる」と自衛隊では言い伝えられ、イージス艦は入港前にレーダーを切り、港内や市街地への影響を防いでいる。

 米国は陸上イージスをルーマニアに配備、ポーランドに建設中で、韓国には「サード」を置いたが、いずれも費用は米国が全額負担し米軍人が運用する。日本に陸上イージスを置くのはハワイ、グアムの防衛に有効だから、少なくとも経費の半分くらいは米国が出すよう交渉すべきだったろう。(軍事ジャーナリスト・田岡俊次)

AERA 2018年10月1日号より抜粋

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