桝井准教授は言う。

「緊迫した展開のなかでも笑顔が多く見られたのは、互いを信頼し、いつ、どんなショットを投げるかということを高いレベルで共有できていたことと無関係ではないでしょう。それぞれの判断プロセスが同じなら、最終的には同じ結論が導き出されるはずです」

 ミスが出たり劣勢になったりしても、パニックにならずに最後まで戦えたのは、日ごろからコミュニケーションを密に取り、チームが一つの方向に向いていたからではないか、と。

 チーム内の厚い信頼関係が好結果を生むということは、カーリングに限らず、どんな組織でもいえることだろう。

 札幌国際大学でスポーツ社会学を専門にする新井貢准教授は、LS北見が「笑顔」で戦って銅メダルを獲得したことは、不機嫌が叫ばれて久しいニッポンの「職場」にも、一つの指針を示してくれたと指摘する。

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