
「スポ根」とはほど遠いほのぼのとした雰囲気で快進撃を続け、平昌五輪銅メダルに輝いた女子カーリングのLS北見。日本中をとりこにした彼女たちの戦いぶりには、会社や学校など、社会を生き抜くヒントも隠されている。
【写真】ブレザー姿も可愛い!神スマイルを見せたカーリング女子の選手たち
北見工業大学工学部でカーリング戦術支援のためのデジタルスコアブックの開発などを行う桝井文人准教授は、データ分析の観点から勝因を探れば、「ハウス(円)の中に、不要なストーンをためないクリーンな展開を好んだ。相手のミスを見逃さなかった。世界のトレンドに近い、徹底的にリスクヘッジをした結果」
と話す。
総当たりだった予選リーグの韓国戦やスウェーデン戦、銅メダルをかけた英国との3位決定戦で、日本は最終10エンド、いずれも不利とされる先攻。実はこのことが勝利につながった、と桝井准教授は見る。
後でストーンを放つ相手のミスに救われたと見ることもできる。だが、メンタルの勝負と言われるカーリングでは、スキップと呼ばれる最終の投げ手にいかにプレッシャーを与えるかが重要だ。強豪が相手の緊迫した場面でも、笑顔を絶やさず、最後までもつれる展開に持っていったことが、結果的に勝利を手繰り寄せた。