「テキストは単なる台本の読み合わせだ、と言う人もいます。いわゆる『リピート・アフター・ミー』、おうむ返しですよね。しかしそのおうむ返しが、実は大切なんです」(大西さん)

 おうむ返しは基礎練習。そこを起点に、さらに踏み込んだ練習をしないから発話ができないのだと大西さんは言う。

「人間は自分が発音できる言葉は聞き取れるし、逆もまたしかり。なので、テキストの音読やシャドーイングで、聞き取れる・発音できる語彙を増やす。問題はその先で、得た言葉を自分の言葉として使ってみること。それこそが英会話のキモです」

 レッスンの終盤には必ず、新しい言葉を使い、教本の例文以外の文章を自分で作って話してみる。そこまでやって初めて「使える言い回し」が増えるのだ。(ライター・浅野裕見子)

AERA 2018年3月5日号より抜粋

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