みやけ・りゅうた/脚本家・映画監督・スクリプトドクター・心理カウンセラー。著書に『スクリプトドクターの脚本教室・初級篇』『中級篇』など。スクリプトドクターとして、国内外の映画企画に多数参加。東京藝術大学大学院やシナリオ学校で講師も務める(撮影/横関一浩)
みやけ・りゅうた/脚本家・映画監督・スクリプトドクター・心理カウンセラー。著書に『スクリプトドクターの脚本教室・初級篇』『中級篇』など。スクリプトドクターとして、国内外の映画企画に多数参加。東京藝術大学大学院やシナリオ学校で講師も務める(撮影/横関一浩)
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 脚本家・映画監督・スクリプトドクター・心理カウンセラーである三宅隆太さんが、かつてないプレゼンの指南書『スクリプトドクターのプレゼンテーション術』を上梓した。。

 著者の三宅隆太さんは、知る人ぞ知るプレゼンの名手。TBSラジオの人気番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」で披露してきた数々の名プレゼンは、多くのリスナーの心を掴み、今でも話題にのぼるほどだ。

 本書は、そんな三宅さんが満を持して上梓した「プレゼン術の秘技」を伝える一冊だ。だが読んでみて驚いた。あまたのプレゼン本の定番コンテンツ、資料作成やマーケティングに関する記述が一切ないのだ。

「見やすい資料の作り方や、効率の良いトークスキルの話は、すぐに真似ができるので便利だとは思います。でもプレゼンを苦手だと感じている人にとっては、まずは<苦手意識>を克服するほうが大切です」と、三宅さん。

「過度に緊張したり、アガっていると平常心ではいられません。この点を克服できれば、誰にでも<自分らしいプレゼン>は可能だと僕は考えています」

 この本に書かれているのは「プレゼン強者のフリやマネをする方法」ではなく、「あなたらしくプレゼンするための方法」なのだ。

 具体的には「着想」「構成」「話し方」「コンディション」「自己開示」等々……プレゼンに必要な要素をトピック化し、三宅さん自身がラジオでアプローチしてきた実例も交えながら、一つひとつひもといてゆく。読者の心を解きほぐすような語り口は、さながらラジオを聴いているかのようだ。

 タイトルにある「スクリプトドクター」とは、脚本のお医者さんのこと。いかにもロジカルで冷徹な仕事のように感じるが、実際は逆だと言う。

「脚本がうまくいかなくなる理由の大半は、脚本の出来そのものよりも、プロデューサーと脚本家のコミュニケーション不足にある。互いの心に秘めた想いを引き出し、対話へと導くことが僕の役割。大切なのは自己開示なんです」

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