「正社員なら、会社も長期的な視点で見てくれる。今日サボっても明日、この3カ月がだめでも次の3カ月で取り返せばいいのですが、複業の場合はそんな甘えは通用しません。決まった期間内に成果が求められるし、成果を上げられなかったときはその理由や課題を説明し、納得してもらうコミュニケーション力が必要です」

 もちろん、企業側にも、副(複)業する人をうまく活用するための課題は残る。

「『商品やサービスを広めたい』という課題にも、広報の力で広めるのか、ウェブマーケティングの手法を使うのか、泥臭く営業するのか、方法はさまざま。適切な人材を見つけ出すために、課題整理の部分から手伝うこともあります」(大澤さん)

「とりあえず人が足りてないから紹介して」ではうまくいかない。企業の求人も個人の求職も、「超具体的」が肝要だ。(編集部・高橋有紀)

AERA 2017年12月18日号より抜粋