「データ復旧を完全に不可能にするのは困難。それよりも必要な情報を探しやすくしておくことで、結果的にそれ以外のデータから目をそらす効果が期待できます。残された家族も故人の秘密を暴きたいわけではなく、必要なデータを探しているうちに見つけてしまうものだからです」(古田さん)
SNSやブログに投稿した記事や写真など、ネット上に残される遺品もある。無料で使えるものの多くは、利用者亡き後は放置されているが、特別な対応を取るサービスもある。フェイスブックには「追悼アカウント」という機能がある。遺族などが亡くなった人のアカウントを報告して認められると、その人のページに「追悼」の文字が表示され、つながっている人たちが故人を偲ぶ場として活用できる。利用者本人が生前に、アカウントごと削除するよう設定したり、追悼アカウント管理人を指定したりすることも可能だ。
古田さんは、情報リストや生前の準備などの「デジタル終活」は、定期的な見直しを勧める。
「利用規約の変更や新サービスの登場に対応するためにも、年に1度、あるいはパスワードを変更したタイミングなどで見直すのがいいでしょう」
(ライター・森田悦子)
※AERA 2017年11月20日号