イラスト/小田原ドラゴン
イラスト/小田原ドラゴン

 日本の政治家は、国の現状に関し、個別の事案については語れるが、複合的には語らない。語れないのかもしれない。

 メディアもそうだ。コロナ禍の中、東京五輪開催を支援した彼らを、私は決して忘れない。

 私は今、政治がやるべきことは、生きるか死ぬかギリギリのところにいる人たちへの直接的な支援じゃないかと思う。自分の組織のこの先は、ということは一切考えず。とにかく今、存在する国民の命を守れ。

「仮定の話にはお答えできない」という政治家を許していたせいで、日本は仮定の話もできる余裕がなくなったといえるのかもしれない。

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

週刊朝日  2023年3月3日号

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