
AERA2017年6月19日号(12日売り)の表紙に、蜷川実花の撮影でsacaiのデザイナー、阿部千登勢が登場した。
「私にしかできないことをできる人生にしたい」(阿部)
sacaiの服はすべて阿部千登勢自らがデザインしている。そうしないと気がすまない、と阿部は言う。仕事に対しては、常に真摯に向き合っていたいのだ、と。
sacaiが提案するファッションは異なる素材や要素の組み合わせで知られ、「ハイブリッドデザイン」とも呼ばれる。
一方で奇抜すぎず、誰にでもなじみやすい。メンズシャツに女性用フォーマルドレスを組み合わせたり、ニットカーディガンの後ろ身頃をプリーツ状のシフォン生地にしたり。生地の特性を知り尽くした、阿部千登勢ならではのクリエイティビティーが発揮されている。
いまや45カ国に250以上の卸先を持つ日本を代表するファッションブランドだが、そのssacaiが、阿部自身が編んだたった5型のニットから始まったことはよく知られている。
「出産を機に仕事を辞めてしまい、娘はかわいくてしょうがないのに、熱中していた仕事がなくなって、さみしかった」
夫の言葉が背中を押した。