スクウェア・エニックス最先端から世界に夢をスクウェア・エニックス 情報システム部 ITインフラストラクチャー・グループ/ネットワーク・グループ シニア・マネージャー 森竜也(40)撮影/門間新弥
スクウェア・エニックス
最先端から世界に夢を

スクウェア・エニックス 情報システム部 ITインフラストラクチャー・グループ/ネットワーク・グループ シニア・マネージャー 森竜也(40)
撮影/門間新弥
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 アエラの連載企画「ニッポンの課長」。

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 現場を駆けずりまわって、マネジメントもやる。部下と上司の間に立って、仕事をやりとげる。それが「課長」だ。

 あの企業の課長はどんな現場で、何に取り組んでいるのか。彼らの現場を取材をした。

 今回はスクウェア・エニックスの「ニッポンの課長」を紹介する。

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■スクウェア・エニックス 情報システム部 ITインフラストラクチャー・グループ/ネットワーク・グループ シニア・マネージャー 森竜也(40)

 人気ゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズは今年30周年を迎える。

 昨今のゲームの進化はめざましい。実写映画のようなグラフィックに加え、世界中の数十万人規模のユーザーがインターネットを通じて一緒にプレイしたりコンテンツを拡張したりできる。森竜也は、こうしたゲームの提供に欠かすことができないネットワークインフラを構築するエンジニア。ユーザー向けだけでなく、数百人もの開発者が100テラバイト級のデータを編集するための社内環境の整備も担当し、また、数十人のチームメンバーのマネジメントも行う。

「開発部隊の要望やお客さまの期待に応えるため、常に最先端の技術を追求しています。結果的に“日本初”の事例になることも多い」

 先陣を切る“戦士”に不安はつきものだが、それでも立ち向かわなくてはならない。2012年に発売された「ドラゴンクエストX」では、複数のサーバーで負荷を分散させる業界の常識をくつがえし、「世界はひとつ」のコンセプトのもと、数十万のユーザーのデータを一元管理する前代未聞のプロジェクトに携わった。オフィス移転の際は、悩みに悩んで未知数の最先端技術を導入。メンバーのスキルにも支えられ、新しい環境づくりを成功させた。

「規模が大きすぎて、個人の力だけでは超えられない仕事。ふだんからチーム間の連携を円滑にするよう心がけています。休日にみんなで一緒にオンラインゲームをすることもある」

 この世界を知ったのは幼稚園のころ。MSX(1980年代に発売されたパソコン)のゲームと出合い、将来の道が決まった。東京理科大学大学院で電子応用学を学び、01年、プロバイダー会社に就職。07年、憧れのスクウェア・エニックスに入った。仕事(ゲーム)のストレスは、趣味(ゲーム)で解消。7歳の長女と楽しむこともある。
「子どものころからの夢だったので、ゲームの最後に出てくるスタッフロールに自分の名前があると感無量です」

 今は世界にたくさんの夢を提供することが森の願いだ。(文中敬称略)

 (ライター・安楽由紀子 写真・門間新弥)

AERA 2017年2月27号