大学入試センター試験が「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」に移行する。すでにさまざまな入試改革、従来と違う新たなAO入試を導入する大学が増えてきた。
今年度「新フンボルト入試」を導入したのはお茶の水女子大学だ。この名称は世界最初の近代大学であるベルリン大学の基本構想を作ったヴィルヘルム・フォン・フンボルトにちなんだ。1次選考ではプレゼミナールを受講し、リポートを提出。文系の2次選考は図書館での情報検索とリポート作成、グループディスカッションを、理系では研究発表などをさせた。
●「早稲田らしさ」復活を
同大ではかつて、日本語と英語での講義後にリポートを提出、翌日はグループディスカッションと面接のAO入試を実施したが、高すぎる難易度が敬遠され志願者減を招いたことがある。
「そこで、知識の多寡を問うよりも、知識をどう使い、いかに自分なりの解決へと導けるかを問う入試を開発したのです」
と、AO入試室特任講師、川島亜紀子さんは話す。
“初フンボルト”の今年度は定員20人に対し志願者198人。「各学部教員の満足度は高そうです。合格者には、女性のみという学内環境の中でリーダーシップを育み、周囲を巻き込んでいけるモデルになってもらえたら、と期待しています」(川島さん)
国立大学協会が2015年9月に公表した「国立大学の将来ビジョンに関するアクションプラン」では、21年度までに推薦やAO、国際バカロレア入試などを入学定員の30%を目標に拡大するなどとしている。
地方出身学生の取り込みに熱心なのが、早稲田大学だ。同大は18年度入試から「新思考入学試験(地域連携型)」を始める。
現在、同大学生の約7割が首都圏出身者。「私大の雄」としての多様性低下を憂う声もある。都会暮らししか知らない学生ばかりでは、例えば地方創生や地域産業活性の学びにも限界があるだろう。
沖清豪入試開発オフィス長は、「新入試では全都道府県から学生を募りたい」と語る。