──都知事として何を成し遂げたいですか。

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックは1964年の繰り返しではいけない。2020年とは、高齢化やIT振興、経済の中心としての再興という東京の「その後」を考えるゲートウェイ(入り口)です。その上で、目標設定して現在の課題を解決しなければ。長期的な人口動態を考慮しつつ、減らしていく街づくりもあると思う。

──支持率8割超という世論調査も。

 怖いです。高所恐怖症になります(笑)。メディアは上げて下げて、また上げますから。

●「イライラする」日本の国際政治

──小池さんは政治信条的にはタカ派といわれます。8割の支持者の中には憲法9条改正反対派もいます。核武装発言の真意は。

(質問が)朝日だわねえ(笑)。これは戦術的な発言ですよ。抑止力が重要なのです。国際政治は冷徹ですよ。邪悪です。時にちゃんと国家を維持するっていうことは、ソフィスティケートに対応しなければならない。白か黒かということで言い放つのは、ナイーブすぎると思います。(核兵器を)持つ選択肢は基本的には、ない。なぜなら計算に合いません。持つことによるプラスとマイナスとが。そのあたりが日本の国際政治の足りないところじゃないですか。外交でも(ODAをばらまく)サンタクロースやって、どういう効果がありました? もっと戦略的にやらねば。イライラしますよ、私は。もっと日本は国際政治の冷徹さを感じるべきだと思います。

●都政に取り込む“スピード感”

──かつての政治的師匠ともいえる小泉純一郎元首相は反原発をさかんに訴えています。

 安全性の確保が大前提。そこは原子力規制委員会が判断する、と思っています。私はね、エネルギー問題は、不安定だとか非効率だとか、リニューアブル(再生可能エネルギー)が頼りないということばかりが喧伝されすぎていると感じています。日本の照明をLEDに変えていくだけで原発13基いらなくなると、日本エネルギー経済研究所が言っている。都の関連施設で一斉にLED化すれば、スケールメリットが生じて、技術革新が進む。そのほうが現実的なエネルギー政策のメッセージになる。「あなたにもできることあるよね」と。クールビズと一緒です。

──各界で女性トップの活躍が目立ちます。女性リーダーの強みは何でしょう。

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