●日本会議との親和性
では、小池氏はどうか。かつて同懇談会で副会長や副幹事長職の一人に名を連ねたことがある。また、過去の言動などを見ると、日本会議の主張との親和性の高さが目につく。中でも注目すべきは、日本会議が現在最も力を入れて運動に取り組む改憲問題であろう。
たとえば小池氏は2000年11月、衆院憲法調査会で次のように述べている。当時の東京都知事・石原慎太郎氏が参考人として招かれ、現行憲法は破棄せよという持論をとうとうと開陳したのを受けた発言である。
「いろいろと御示唆いただきました。結論から申し上げれば、いったん、現行の憲法を停止する、廃止する、その上で新しいものをつくっていく、私はその方が、今のものをどのようにどの部分を変えるというような議論では、本来もう間に合わないのではないかというふうに思っておりますので、基本的に賛同するところでございます」
かなり明確な「現行憲法破棄論」であり、日本会議に集う一部の右派人士がいまなお唱える「明治憲法復元論」にすらつながるものともいえる。
●「お試し改憲」を提案
しかし、小池氏にそれほど確固たる憲法観があるわけでもないらしい。11年に出版された『渡部昇一、「女子会」に挑む!』(ワック)なる本では、ゴリゴリの右派として知られる上智大学名誉教授・渡部昇一氏の憲法批判を受け、以前とは違う趣旨のことを口にしている。
「憲法論議をすると、すぐに『右翼』などとレッテルを張られます(略)。そこで、私は前回の参院選の時に挑戦してみたのです。自民党の広報担当だったので、ビラに『憲法83条を変えましょう』と掲載しました。83条は『国の財政を処理する権限は、国会の議決に基づいて、これを行使しなければならない』とされていますが、そのあとに第2項として『財政の健全性は保たれなければならない』という一文を書き加えようというものです」