
「プリファード・インフラストラクチャー」「プリファード・ネットワークス」でともに副社長。東京大学大学院で博士号を取得(撮影/高井正彦)
コンピューターの進化が社会の発展を支えている。異論は少ないだろう。その先頭を米国が走っているのも間違いないが、日本人も手をこまねいているわけではない。「ぶっとんだ想像力」で世界に挑む「天才」を紹介したい。
東京・大手町にある「プリファード・ネットワークス」副社長の岡野原大輔(34)がその一人。同社は、東京大学と京都大学の大学院生が中心になって作るAI(人工知能)ベンチャーだ。
この会社が持つ「世界最高峰の技術」は、AIの学習能力を飛躍的に引き上げた「ディープラーニング」を産業用ロボットに実装したもの。世界的に未踏の分野だ。
例えば、ロボットアームを、連続8時間動かしてみる。すると、
「人間が1日から数日かけてつくった作業プログラムを自ら、習得できる」(岡野原)
箱にバラ積みになったネジを「つかんで一定の位置に移せ」という指示は人にとっては何でもないことだが、ロボットにとっては実は難題だった。どれからつかめばいいのかから始まって、一挙手一投足を人間が指示しなければならなかったからだ。岡野原らは、「ロボットが学習すべき方向を示すこと」で、それを完全自動化するプログラミングをしているのだ。
ジャーナリスト、湯川鶴章のブログ「TheWave」で紹介される岡野原像はこうだ。