そう語る松田教授が見る限り、南阿蘇橋はアーチ構造で、かなりしっかりとした耐震構造のようだ。それでも一部がひどく損傷したのは、やはり直下型地震の特徴である「地面のずれ」などが影響したのではないか。
南阿蘇村では14人(22日時点)の死亡が確認され、今も行方不明者の捜索が続いている。東海大学の学生向けアパートが50棟以上あり、倒壊した建物もある。
直下型か、海溝型か。地震の種類によって、損傷しやすい建物は異なる。松田教授が言う。
「直下型と海溝型では含まれる揺れの成分に違いがある。海溝型は比較的長周期の揺れの成分を多く含み、高い建物にダメージを与えやすい。タワーマンションなどが大きく揺れるのも、海溝型の被害の特徴です。逆に直下型は、相対的に短周期の成分が強く、中低層の建物の損傷が大きくなります」
自宅の建物は、どんな地震に弱いのか。直撃したら、どんな状態になるのか。それを知っておくことは、無駄ではない。(アエラ編集部)
※AERA 2016年5月2日-9日合併号より抜粋