小学校に上がると、「宇宙刑事ギャバン」などを見るべく、放課後は家へダッシュ。段ボールで作った自前の“鎧”で友達とギャバンごっこに明け暮れた。派手な爆発シーンもあり、時に「怖い」という感情を掻き立てる。特撮もすごい。子ども向けなのに大人たちが本気でつくっている。気づけば夢中だった。
だが、ビュフの作品は好きなものだけを詰め込んだ日本オタク的なものとは違う。ピエール・エルメとのコラボでは、クラシカルな雰囲気が漂う。
「エルメ氏とパリのモンソー公園を散歩している時、古い不思議な建物が目に留まりました。歴史を調べ、それが作品のベースの一つとなった。19世紀のパリの要素など、ヨーロッパの古典美術が土台になっています」
独自のアイデアに、日本のサブカルチャーの影響が重なる。だから、ユニークな世界観が生まれる。(ライター・古谷ゆう子)
※AERA 2016年3月21日号より抜粋