通常、気温差が激しいと、手足の血管は収縮・拡張し血圧も変動する。しかし、高齢者や動脈硬化が進行している人は、急激な血圧上昇を抑えきれず脳内の細かい動脈が切れて脳出血を起こす可能性がある。それを防ぐには、血圧の変動を抑えるよう、起床後すぐに上着を着、靴下をはいたり、冷水で食器洗いや洗車はしないなど生活習慣が重要だ。

「今後は生活指導や病気の予防としても、天気予報は注目されていくのではないでしょうか」

 毎日の天気予報の見方も気象病対策の鍵になる。

「気温と気圧の急な変化に注意が必要です」と説明するのはライフビジネスウェザー所属の気象予報士・健康気象アドバイザーの小越久美さん(37)だ。

 気温に加え、気圧の変化も体に影響を及ぼす。気圧が低下すると交感神経が高まり、血管を縮小させ血圧が上昇。関節痛や頭痛、古傷が痛む原因の一つとなる。

「その日の気温をチェックした上で、翌日の最高・最低気温予想を確認することが大切。前日と当日の温度差と、1日の中での気温差も見てほしいです」

 気温差が大きいほど自律神経の調整が難しく、体への負担がかかる。東京の場合は10度の差が目安だ。春と秋は日中の外気温の差が大きい一方で、夏と冬では室内と外気との温度差が激しくなる。対策のポイントは、服装選びとエアコンでの温度調整。また2週間先の大まかな気温変動の可能性を知ることができる「異常天候早期警戒情報」も気象庁のサイトで確認できるので早めの気象対策も可能だ。(アエラ編集部)

AERA  2016年3月7日号より抜粋

暮らしとモノ班 for promotion
【セールは20日23:59まで】Amazon「プライム感謝祭」みんな何を買ってるの?先行セールで売れた商品をチェック!