「私たちが力を合わせて国会に送り出した石井さんが、沖縄を弾圧する先頭に立っている」と考えると、「沖縄の人たちに本当に申し訳なく、悲しい思いになった」。

 Aさんは首都圏のメンバーとともに、学会内で党本部の方針に異議を唱えることを決意した。背景には、創価学会の池田大作名誉会長の教えに忠実なのは、辺野古反対を訴える自分たちのほうだ、との確信がある。

 池田名誉会長は沖縄に対する思いがひときわ強く、著書にも「『20世紀にどこよりも苦しんだ沖縄』を『21世紀にどこよりも幸せにする』ために全身全霊を傾けなければ日本に平和はない」と記している。池田名誉会長が唱える「人間主義」や「平和主義」が沖縄では踏みにじられている、と有志の会メンバーは憤慨している。

 公明党は、沖縄県本部が辺野古新基地建設に「反対」だが、東京の党本部は自民党とともに「推進」のスタンスで、地元と中央の間でねじれが生じている。

 有志の会メンバーは「今後も首都圏でのデモに参加し、署名運動を広げていく。署名数を増やすことだけを目指すのではなく、一人ひとりの学会員の心に働きかける」方針で一致しているという。署名は学会員に限らず募集しており、2月18日現在、651人分集まった。政府の動きを見据え、公明党本部に提出する。

 創価学会広報室は取材に対し、辺野古新基地建設について「国政に関わる施策であり、推移を見守っております」と回答。有志の会の活動については「こうした活動を認めておらず、当会会員を対外的に表明したり、三色旗を政治目的に使用したりすることは遺憾」としている。

(アエラ編集部)

AERA  2016年2月29日号より抜粋

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