好敵手だった伊良部秀輝元投手が2011年に自殺したときはショックを隠せなかったという清原和博容疑者。友人たちは「繊細で優しい男」と口をそろえる (c)朝日新聞社
好敵手だった伊良部秀輝元投手が2011年に自殺したときはショックを隠せなかったという清原和博容疑者。友人たちは「繊細で優しい男」と口をそろえる (c)朝日新聞社
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 無冠の天才打者、清原和博。覚醒剤所持で現行犯逮捕の報に、もはや驚きはなかった。代わりに漂ったのは、言い知れぬ寂寥感だった。

 警視庁組織犯罪対策5課が、2日夜、東京都港区内のマンションから押収したのは、0.1グラムの覚醒剤のほかに、ガラスパイプと注射器3本。覚醒剤所持の現行犯で逮捕されたこの部屋の主、清原和博容疑者(48)は調べに対し、これらが自分のものであることを認め、「あぶってパイプで吸うか、腕に注射していた」と使用も認める供述をしているという。

 筆者は長く清原容疑者の薬物乱用疑惑を取材してきた。覚醒剤に関しては、「あぶり」専門だったはず。少量でも効き目が強い「注射」に手を出していたことは、依存度を高めていたことの証左に他ならない。

 清原容疑者がクスリに手を染めだしたのは、巨人に移籍した後の1998年ごろのことだ。西武時代の背番号「3」は、巨人では長嶋茂雄氏がつけていて永久欠番。清原容疑者は「5」を背負うようになった。口さがない連中は畏敬の念をこめつつ彼を「5番」と呼称していた。

 当時のチームメートで、薬物の調達係もしていたという人物は、かつて筆者の取材にこう証言していた。

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