産後1カ月で仕事を再開するため、待機していたすべての施設に電話して順位を確認したが、絶望的な状況だった。他区へ引っ越そうかと物件を探したが、どの区も確実に保育園に入れる保証はなく、あきらめた。新たに7軒を見学したところ、夫と子どもが手足口病に感染し、重症化して入院。女性も40度超えの熱でダウン。しかも、産後うつになっていた。“保活うつ”も併発していたのだろう。

「私、死んだほうがいいですか? お母さんがいないほうが、子どもは保育園に入れますか?」

 精神的に追い詰められていた。精神科医のアドバイスもあり、産後4カ月からはベビーシッターを利用することにした。利用料は1時間2800円と高いが、認可に申し込む時の加点のためだと割り切っている。

 都内のあるベビーシッター会社によると、ここ数年で保活のためだと思われるシッターの需要が増えているという。

「月に複数回シッターを利用したという既成事実をつくり、保育が必要だということをアピールするようです」(経営者)

AERA 2015年12月21日号より抜粋