ハーゲンダッツ ジャパン「織りなす味と経験」ハーゲンダッツ ジャパン マーケティング本部 R&Dセンターマネージャー 田村淳子(45)撮影/写真部・外山俊樹
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ハーゲンダッツ ジャパン
「織りなす味と経験」

ハーゲンダッツ ジャパン マーケティング本部 R&Dセンター
マネージャー 田村淳子(45)
撮影/写真部・外山俊樹
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 アエラにて好評連載中の「ニッポンの課長」。

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 現場を駆けずりまわって、マネジメントもやる。部下と上司の間に立って、仕事をやりとげる。それが「課長」だ。

 あの企業の課長はどんな現場で、何に取り組んでいるのか。彼らの現場を取材をした。

 今回はハーゲンダッツ ジャパンの「ニッポンの課長」を紹介する。

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■ハーゲンダッツ ジャパン マーケティング本部 R&Dセンター マネージャー 田村淳子(45)

 フランス発祥のケーキ「オペラ」。ガナッシュやモカシロップを塗った生地とバタークリームが、何層にも重なるチョコレートケーキだ。オペラ座が名前の由来ともいわれるこのケーキを、ハーゲンダッツのアイスクリーム「オペラ」として開発したのが、田村淳子。ケーキにのる金箔の再現にもこだわった。

「金箔は薄くて扱いにくかったので、金粉を砂糖にコーティングして振りかけることで再現することができました」

 神戸大学農学部を卒業後、食品メーカーに就職。2005年に「アイスクリームが好きだから」とハーゲンダッツ ジャパンに転職した。以来、アイスクリームの味の設計を担う。ミニカップの「ホワイトピーチ(白桃)」やクリスピーサンドの「ベリーベリーストロベリー」など、数々の味を開発してきた。

「ハーゲンダッツのアイスは密度が高くて、乳成分が多い。濃くて甘い味わいが特徴なので、それに負けない味を加えていきます。今まで使ったことのない材料に挑戦するのは、ワクワクしますね」

 新しい味が世に出るまで、2年ほどかかる。多いときでは日に10個以上のアイスクリームを食べることも。情報収集のために、おいしいと評判のレストランや有名なスイーツなどの食べ歩きも欠かせない。

「30代は食べても平気だったんですけど、40歳を過ぎると体重が増えるようになってきて。ホットヨガのスタジオに通ったり、お昼ご飯の量を減らしたりしています」

 12年にマネージャーになった。現在は7人のチームを率いる立場。新製品の開発が滞らないように、進捗状況を管理し、環境を整える。何かあったときに備えて、相談しやすい雰囲気づくりを心がけている。

「今は、メンバーがどんなアイデアを出してくるか楽しみ。私も『そう来たか』と驚きたいし、お客様も驚かせたい」(文中敬称略)

※本稿登場課長の所属や年齢は掲載時のものです

(編集部・大川恵実)

AERA 2015年8月10日号