もっとも、最近は従来の大学クラス別のターゲティングに限界を感じる企業も増えてきている。ERPパッケージソフトを開発するワークスアプリケーションズ(東京都港区)の人事責任者は言う。

「大学受験は、大部分が暗記能力の高さを測る試験。大学名で自社との相性を見るのは難しいと感じています」

 同社は採用の際、長期インターンシップを課すことで知られている。大学のターゲティングはせずに有給インターンとするため、獲得コストは採用一人あたり1千万円にものぼる。それでも、広く網をかけたほうが最終的に効率がいいと考えるからだ。今年は、インターンで優秀な成績をおさめた高校生も、入社する権利を得た。

「AO入試で入った学生は基礎学力が低いことがあるので、大学名より高校名のほうが参考になる」

 今回取材した複数の人事担当者も、そう口をそろえる。

AERA 2015年11月23日号より抜粋