一口に公立といっても入試や教育内容は多様…
一口に公立といっても入試や教育内容は多様…
この記事の写真をすべて見る

 近年、私立全体の募集枠が増える一方で受験者の数が減り、「御三家」など最難関クラスを除いて、私立受験は易しくなっている。そんななか、存在感を増しているのが公立の中高一貫校だ。首都圏では、独自の授業や入試で人気を集めている公立中高一貫校がある。

 平均6.22倍。東京都立中高一貫校の今年の受検倍率だ。設立当初より低下したとはいえ、その人気はなお根強い。

 一口に公立といっても、入試や教育内容は多様だ。人気校の一つ、都立桜修館(目黒区)の入試は作文に特徴がある。長い文章ではなく、写真を見せたり短い詩を読ませたりして、45分で600字程度の文章を書かせる。

「昨年の写真は木材。大人でも何を書けばいいか悩みますよね。論理的に考えることができ、自分の考えを相手にわかりやすく伝えられる子どもに入学してほしい。そのためにこのような作文の問題を出しています。子どもたちの豊かな発想力には驚かされます」(笠原聡副校長)

 授業も論理的な思考の育成に重きを置く。中1から中3まで、「国語で論理を学ぶ」と「数学で論理を学ぶ」という独自授業が隔週で2時間ずつ。その集大成が、高2で取り組む5千字程度の研究論文だ。高3ではそれを英語で要約する。

次のページ