高度経済成長の時代、働けば働くほど業績が伸びた。モーレツ課長の指揮のもと、みな必死に働き、豊かさを手に入れた/1986年 (c)朝日新聞社 @@写禁
高度経済成長の時代、働けば働くほど業績が伸びた。モーレツ課長の指揮のもと、みな必死に働き、豊かさを手に入れた/1986年 (c)朝日新聞社 @@写禁
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 ソニーで大幅な人事改革が行われている。斬新な新制度導入の狙いとは。

 社内は、異様な空気に包まれていた。課長から、数段階格下の平社員への降格。それに伴う給与ダウン。青ざめる者が続出した。今年2月。ソニーでの出来事だ。給与が下がった人は7月から、他はすでに4月から、新しいグレードに基づいた給与の支給が始まっている。

 電機業界で「一人負け」と言われ、今年、上場以来初の無配に陥ったソニーが、新しく導入したのが「ジョブグレード制度」だ。年功要素はゼロ。「現在果たしている役割もしくは割り当てている役割」のみに基づいて社員を格付けし、給与もリンクさせる。社員の4割を超えていた管理職の半数が格下げされた。

 ソニーの課長たちに何が起きているのか。真相を探ろうと取材を申し込んだ。対応してくれたのは新制度を設計した柴田剛・人事部門統括部長。現役課長にこれほど厳しい改革は、必要なんですか?

「我々はソニーの商品が本当に好きで、ある時までは自信満々でやってきました。2000年以降の事業環境の変化は全く予想外でした。いまはエンターテインメントや金融部門がなければつぶれてもおかしくない危機的状況。ソニーをゼロから作り直さなくてはならないんです」

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