「愛情」と「へそくり」は反比例する?データから、その意外な関係性が見えてきた。

 明治安田生命が11月22日の「いい夫婦の日」にちなみ、20代から70代までの既婚男女を対象に行った調査では、「愛情を感じている」人のへそくりの平均額が94万953円だったのに対し、「愛情を感じていない」人の平均額は214万7160円。愛情を感じている人の2.3倍という結果が出た。

 愛情が薄れたら、お金をためて離婚に備えるということか。

 離婚は、世帯が分かれることで収入が減り、合計の家賃や生活費はこれまで以上にかかる。だから、裕福な実家の存在は、離婚を「後押し」するほうに作用する。その実家が、東京をはじめとする賃金の高い大都市エリアに通勤可能な場所にあれば、なおさらだ。

 横浜市に住む会社員の女性(36)も、離婚によって生活が困窮しない環境だ。通勤するIT関連の会社は都内だが、実家から電車で30分程度。家賃が不要で給与をまるごと自分のために使えるので、金銭的には離婚後のほうが余裕を持って暮らせている。パートナーはいるが、今のところ再婚するつもりはないという。

 47都道府県中、貯蓄現在高が12位の東京都は、離婚率でも8位と上位だが、「開業医や経営者ばかりが居を構える超高級住宅街では、どんなに仲が悪くても夫の財力の恩恵だけは手放さないというミセスが多い印象」と話す渋谷区在住の専業主婦(47)もいた。資産があれば、極め付きはこの方法?

「専業主婦の友人は毎朝、資産家の息子である夫に食べさせるパンに、不健康だと信じているマーガリンをたっぷり塗っている」(世田谷区の自営業女性、49歳)

AERA 2014年12月22日号より抜粋