さまざまな「贈答品」が飛び交う政治の世界。永田町の“贈り物トレンド”を探ってみた。
11月21日に衆議院が解散した。そういえば波乱の幕開けとなったのは、小渕優子経済産業大臣(当時)の「政治資金収支報告書」だったっけ。こちら政治家の家計簿みたいなもんで、議員それぞれの資金管理団体が報告。事細かな支出が記載されていることも多い。
そこで、総務省のサイトで衆参議員500人余りの収支報告書(定期公表・2012年分)をチェック。目の下のクマを濃くしつつ「贈答品」「品代」などで計上された「贈り物」と思われる支出から、政界の贈り物トレンドを洗い出してみた。
まず最も多いのが、地元ブランドの商品や名産品。これを地元から取り寄せたり、東京のアンテナショップで購入したり。ちなみに1回の支出で多い金額は、個数不明のトータルで2万~3万円。意外に高くない。
羊羹の「虎屋」や、高級スイーツが買える銀座の「和光」、カステラの「福砂屋」など贈り物の定番ブランドは多くの議員が使っているほか、デパートでは三越伊勢丹がダントツの人気。それも新宿の「伊勢丹」ではなく、銀座の「三越」のほうがやたらと目立つ。
また国会の地元と言える赤坂エリアに店を構える和菓子の「赤坂青野」(赤坂)や、オーストリア菓子の「ツッカベッカライ カヤヌマ」(溜池山王)など、国会地元ブランドも多かった。
一方でこうしたわかりやすいチョイスを避けて、贈り物のセンスの良さをアピールする議員も少なくない。この手の「センス派」は、なぜか自民党の世襲議員に多く、花ひとつを贈るのにも衆議院内にある「国会花苑」じゃなくて、オシャレ系の「ゴトウ花店」や「東京ガーデン」などを利用するのが特徴。
入手困難なクッキーで知られる「村上開新堂」や、コスメブランド「ロクシタン」などのトレンド系雑貨店を絶妙なバランスで使っている安倍晋三首相、和光などの定番物に加え、葉巻の「ダビドフブティック オークラ」から贈り物をしている麻生太郎財務相らがこれだろう。
※AERA 2014年12月8日号より抜粋