

東京五輪が開かれる2020年までに、山手線に新駅が誕生する。起死回生を願う地元商店街。新駅は街をどう変えるのか。
JR東日本は山手線と京浜東北線の品川─田町駅間に、2020年の東京五輪までに新駅を開設すると発表した。
「地元の名が付いた新駅開業は地域活性化の起爆剤になる。何とか『高輪』にしてほしい」 と、同商店会長で、洋食レストランを経営する石川進さん(52)は訴える。
商店会は国道15号沿いに点在するが、後継者不足もあって次々とシャッターを下ろしている。「高輪駅」ができれば知名度はアップし、街も活性化するはず。石川さんは、新駅開業が決定されるや「新駅を高輪にするため」の署名活動を開始。6月下旬には約1千筆分を港区議会に提出した。
いったい、東京に新駅が一つできると何が起きるのか。
新駅は、山手線の30番目の駅で約半世紀ぶりの新設となる新駅周辺には、東京ドーム3個分にあたる約13ヘクタールの土地に、マンションやオフィス、商業施設の入った複合ビルが建つ予定だ。「新駅と街が一体となった象徴的なにぎわい空間」(JR東日本)を創出し、周辺には国際的な交流拠点となる商業施設を形成するという。
この未曽有の開発は、港区の六本木ヒルズ(11.6ヘクタール)や東京ミッドタウン(10.2ヘクタール)をしのぐ規模となり、経済効果は1兆4千億円という試算もある。
※AERA 2014年12月1日号より抜粋