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 中国人が日本で買うものといえば、少し前までは高級時計や高性能家電が定番。ところがその定番が今、大きく変化している。一体何があったのか。

 中国の富裕層による「爆買い」日本ツアーが話題になったのは、4~5年前のこと。東日本大震災や尖閣問題の影響で中国人の観光客は一時激減したが、いま、さらに多くの中国人が日本に押し寄せる。日本政府観光局の発表によると、今年1月から8月までに日本を訪れた中国人旅行者は約154万人。2012年に記録した「1年間の過去最高」を8カ月で上回った。

 理由はいくつかある。まず、訪日ビザの規制緩和だ。以前は超高収入の超富裕層にしか発給されなかったが、いまは年収100万円前後の中国人も日本への観光旅行を楽しめる。

「それでも日本に旅行できるのは富裕層ですが、買い物の内容は、様変わりしていますね」

 中国人観光客を迎え入れる日本企業の研修などを行うレジャーサービス研究所の斉藤茂一所長は言う。

 そもそも安全性の高さで中国で人気が高かった日本の日用品だが、10月1日からは外国人観光客は消耗品まで消費税が免税に。中国では17%の消費税がかかるし、円安による割安感も加わって、日本のほうがずっと安く買える。結果、おむつ、スナック菓子、粉ミルクなどの「かさばる系」の人気が上昇したということらしい。

 ドン・キホーテでは、こんなものが中国人によく売れる。

 まず、炊飯器やシェーバーなど、メード・イン・ジャパンの電化製品は相変わらずの人気。ペット用品やサプリなど健康関連商品も、最近になって伸びているという。

 肌に直接触れるものや口に入れるものは、有名日本メーカー製品が売れ筋。日本に住む中国人が1万パックを買い集め「爆転売」しようとして摘発された花王の紙おむつ「メリーズ」をはじめ、参天製薬の目薬「サンテFX」、資生堂の洗顔フォーム「パーフェクトホイップ」といった商品が人気となっている。

AERA 2014年11月10日号より抜粋

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