
世界最高のピアノ・トリオの新作を聴け!
My Foolish Heart / Keith Jarrett
1983年の初レコーディングから四半世紀。2枚組や6枚組を含め、これまで17タイトルをリリースしてきたキース・ジャレット“スタンダーズ・トリオ”は、ピアノ・トリオに革命をもたらした現代最高峰として、その座を揺ぎ無いものにしている。一体いつまで続けるんだ?などという無責任な声を上げる外野の人たちよ。それはキース・トリオを凌駕するトリオが出現していないからでしょ、との言葉と共にこの新作を聴け!と言いたい。
6年前の「モントルー・ジャズ祭」の音源をこのタイミングでリリースする理由について、キースは「これは実に“スタンダーズ”でこのほぼ25年間僕らがやってきたことの全幅を内に含むコンサートだったからこそ、今が聴く時なのだ」と語る。
2枚組の前半は≪オレオ≫≪ソング・イズ・ユー≫等、同トリオではお馴染みのレパートリーが中心。でも新たな感動を与えてくれるのが嬉しい。
変化が起こるのは前半ラストの≪エイント~≫から後半最初の≪ユー・トゥック~≫のラグタイム・アレンジ3連発だ。同トリオ史上初めてかつ最期になるかもしれない演奏は、“種族の言語”であるスタンダード・ナンバーとジャズの歴史に対して、限りない愛情を持つ3人のミュージシャンシップの表れ。そして感動的な場面は終盤に用意されていた。
本編ラストの≪ゲス・アイル~≫は涙を禁じえないバラード。そしてアンコール2曲目となった≪オンリー~≫では、再び感動の波が静かに打ち寄せる。やっぱり世界最高のトリオだ。
【収録曲一覧】
Disc 1
1. Four
2. My Foolish Heart
3. Oleo
4. What’s New
5. The Song Is You
6. Ain’t Misbehavin’
Disc 2
1. Honeysuckle Rose
2. You Took Advantage Of Me
3. Straight,No Chaser
4. Five Brothers
5. Guss I’ll Hang My Tears Out To Dry
6. On Green Dolphin Street
7. Only The Lonely
キース・ジャレット:Keith Jarrett(p) (allmusic.comへリンクします)
ゲイリー・ピーコック:Gary Peacock(b)
ジャック・ディジョネット:Jack DeJohnette(ds)