東京大学の赤門。狭き門をくぐることができた合格者の数は高校の実力を示す一つの指標となっている(c)朝日新聞社
東京大学の赤門。狭き門をくぐることができた合格者の数は高校の実力を示す一つの指標となっている(c)朝日新聞社
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 やはり、開成は強かった――。

【“就職偏差値”ランキング】大学の価値は入試の偏差値だけじゃない!就職率の実績が高いのは?

 東大と京大の合格発表が3月10日にあり、努力を結実させた約5700人が歓喜の春を迎えた。週刊朝日は大学通信と共同で高校へアンケートを実施。その日のうちに高校別の合格者数を集計した。東大は合格者数が10人以上増えた高校があり、上位の順位が入れ替わる結果に……。

 とはいえ、不動の1位は開成。39年連続でトップを守り、強さを見せつけた。

 早速、令和初の合格者高校ランキングトップ3を紹介しよう(10日時点)。

【東大】(1)開成(東京)181人、(2)桜蔭(同)85人、(3)灘(兵庫)78人

 やはり、トップは開成。毎年、東大を目指す“受験強者”が集まってきており、2位以下を大きく引き離した。トップ3の中でも、注目すべきは桜蔭(同)。今年は昨年から19人増の85人で躍進した。昨年は7位だったが、今年は女子校として過去最高の順位となる見込みだ。しかも最難関と言われる理科三類に7人も合格。これは灘(兵庫)14人、開成12人に続いて、全国で3番目に多い数字だ。

 ただ、例年多数の合格者が輩出する筑駒(同)の数字がまだ集計されておらず、最終的な順位にも注目が集まる。

 トップ3以外に目を向けると、伸び盛りなのが西大和学園(奈良)で、11人増の53人だった。同校は関西でいま最も勢いのある学校の一つ。近年は東大志向が強まっており、2年連続で合格者を10人以上増やした。14年度から同学園の中学校が共学化し、今年は1期生が卒業したばかり。大学通信の安田賢治常務は「優秀な女子が集まり、合格者を押し上げたのでは」と見る。

 次に京大のトップ3を紹介しよう。

【京大】(1)北野(大阪)99人 (2)天王寺(同)76人 (3)東大寺学園(奈良)61人

 公立の北野が27人増の99人で3年連続のトップ。同じく公立の天王寺(同)が29人増の76人で続いた。大阪では公立校の教育改革が行われ、成果が大きく出ている。京大合格高校ランキングでは、最近は混戦となることが多かったが、今年は差が明確に出た。安田常務はこう見る。

「北野は今年、頭一つ抜け出した。一時期合格者数を落としていましたが、完全に“復権”したといっても過言ではありません。ただ、すでに大阪では『北野の一強』と言われてきましたので、天王寺は今回、奮起した形です」

 トップ3以外の京大ランキングの上位には首都圏の名門高校の名前も目立つ。自由な校風や研究力の高さに惹かれて、東大ではなく京大を目指す流れが強まっているのだ。

 例えば、西(東京)は5人増で20人も合格者を出した。国立(同)は15人で、毎年多くの合格者を出している。湘南(神奈川)は13人で増加傾向にある。東大京大合格者数ランキングの速報は3月12日発売の週刊朝日3月20日号に詳しく掲載している。(本誌・吉崎洋夫/数字は3月10日判明分)

週刊朝日  2020年3月20日号に加筆