漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「ケイジとケンジ 所轄と地検の24時」(テレビ朝日系 木曜21:00~)をウォッチした。
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でっかいずうたいに棒読みセリフ。視聴者から愛を込めて「棒」呼ばわりされてきた東出昌大に、更なる呼び名が加わった。ご存じ「不倫男」である。
子育てに奮闘する妻・杏がいながらの問題発覚。嫁有名、夫婦として好感度大、その上イクメン気取ってたのに実はほったらかしかーいと、すべてにおいて主婦層の怒りが業火のごとく燃えさかる要素満載だ。
そんなさなかに放送されたドラマの第2話。東大出のエリートで、ちょっとズレてる検事・真島役の東出だが。もう何言ってもよぎるよね、あの騒動が。
「起訴された人間が裁判で有罪になる確率は、ほぼ10割。われわれ検察は10割バッターじゃなきゃいけないんです!」。いよっ不倫の10割バッター! そんなヤジも外野席で飛んでるはず。
「器が小さい」「なんちゅう勝手な人間や」「こんなヤツからは離れなあかん」
この状況を想定して書かれたセリフじゃないのに、なぜか絶妙に現実をエグってくる言葉の数々。まさかの公開裁判状態だ。
しかしこのドラマ、きっとシリーズ化をにらんでたにちがいない。東出とW主役の刑事・仲井戸役の桐谷健太。その「ケイジとケンジ」を支える脇の役者陣は、テレビ朝日らしく堅実だ。警察署長役の風間杜夫をはじめ隅々までキッチリいい顔ぶれが並んでいる。