海上自衛隊の中東派遣を進める安倍晋三首相 (c)朝日新聞社
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 中東海域に派遣された海上自衛隊は、日本関係船舶の安全確保のための情報収集活動を行うことになっている。その中には不審船や工作船の発見なども含まれるだろう。海自が独自に得た情報は、バーレーンにある米海軍第5艦隊司令部で米国と共有することになる。

 だが、海自から得た情報をもとに米軍が不審船を攻撃して沈めるなど軍事行動を起こした場合、「武力行使との一体化」となり、憲法違反になるのではないか。

 海自の中東派遣を巡る野党の合同ヒアリングで、この問題が焦点の一つとなっている。防衛省担当者は次のように答えた。

「船舶の安全確保のための一般的な情報交換の一環として提供することは実力の行使に当たらず、憲法上の問題はない。そのうえで、特定の国の武力行使を直接支援するために、偵察行動による情報収集、情報提供を行えば他国の武力行使との一体化となると判断される可能性がある」

 ヒアリングで、防衛省や外務省の職員に厳しく問いただしている白眞勲参院議員(立憲民主)がこう語る。

「一般的な情報は実力行使に当たらないと言いますが、情報の線引きは難しく非常にあいまいです。いま、米国とイラン両国ともに国連安保理に自衛権を行使したと主張しているのですから、情報の取り扱いは慎重にしなければならないはずです。これほど重要な問題にもかかわらず、国民の関心がなかなか高まらないのは、政府が正しい情報を伝えていないということに尽きます」

 海自は活動海域を航行する船の船主や船籍、位置や進路などを確認し、不審船に関する情報も収集する。防衛省の担当者は、その際「国籍によって特定の国の船舶を排除することはない」とも答えている。海自が情報を共有する米軍がイランと軍事衝突を起こせば、いや応なく巻き込まれる恐れがある。

 しかし、安倍晋三首相は1月23日の衆院本会議でこう強調した。
「現時点において、米イラン間で武力の行使が行われている状況にはなく、自衛隊が何らかの武力紛争に巻き込まれるような危険があるとは考えていない」

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本当にこのまま収束するのかどうか