そして、ウイグル族への弾圧は、世界の大問題となっている。
だが、その中国と激しい覇権抗争をしているはずの米国が、たとえばペンス副大統領が1年前には「新冷戦」と称されたほどの激しい演説をぶち上げたのだが、今回は完全に腰砕けであった。
それに、トランプ大統領も中国に対して、口では厳しいことを言っているが、現在のところは大きく妥協している。トランプ大統領のディールはどうなっているのか、よくわからない。
こうした米国と中国との間で、日本はどのように生きればよいのか。
安倍首相自身、迷いに迷っているはずである。
習近平国家主席の本意などはわからない。しかし、米国との覇権抗争の中では、日本を仲間にしたほうがよい、と考えているのだろう。
トランプ大統領にしても、日本とはどのように付き合えばよいのか、と考えているわけだ。
このあたりのことは、安倍首相も外務省幹部もわかっているはずである。
ただ、トランプ大統領、習近平国家主席のいずれからも、より信用されたほうが国益になる、と捉えているのだろう。
※週刊朝日 2020年1月17日号