


中小企業や個人事業主の「スモールビジネス」を世界の主役に――。
ネットを通じて会計や労務管理サービスを提供する「freee(フリー)」は、日本経済を支える中小企業や個人事業主が活躍できる世界を目指す。
2019年12月17日に東証マザーズに新規上場した。会社の価値を示す時価総額は同日終値で約1259億円となり、19年では2番目の大型上場となった。同27日でも時価総額は1445億円と上場時を上回り、市場の評価は高い。
最高経営責任者(CEO)の佐々木大輔さんは、会計や人事など管理業務にかける労力や手間を減らして、本業に集中できる環境を整えてあげたいという。
「中小企業をもっと元気にしたいという思いがあり、12年に起業しました。中小企業や個人事業主にとって、決算書の作成や給与計算などは非常に大きな負担です。当社のサービスは、会計や人事の知識がなくても、スマホで簡単に利用できる。この分野の技術が進めば、事業の効率や生産性が一気に上がり、働き方も変えることができます」
請求書の作成やレジでの入出金などを入力するだけで、会計帳簿が自動的にできる。スマホを使って簡単に利用できる手軽さが受け、これまで中小企業などを中心に累計100万社が導入した。17年には給与計算や出退勤管理の人事労務ソフトも販売し、約30万社が採用しているという。
サービスを始めたのは、佐々木さん自身も帳簿の作成に苦労した経験があったからだ。
「ベンチャー企業の最高財務責任者(CFO)を務めていたころは、一日中、部下と一緒にデータの入力に追われる日もありました。事業を始めて間もないベンチャー企業にとっては、本業だけでも大変です。会計や人事などの管理業務をやり繰りするのは並大抵ではありません。今までの会計ソフトの中には、入力作業の負担が増え、かえって効率が悪くなってしまうものもありました。いてもたってもいられなくなったのです」
生まれ育った実家が美容院を経営し、幼少のころから家族の苦労を目にしてきたことも、中小企業を助けたという思いを強めた。