議員1年目から注目度が高い。今夏の参院選宮城選挙区で、現職に競り勝ち初当選した元FM仙台アナウンサーの石垣のりこ氏。初めて質問に立ったのが、11月12日の農林水産委員会だ。
「桜を見る会」疑惑について、こう切り込んだ。
「事実が明らかになればなるほどこの内閣の下品さ、下劣さにはあきれるばかりでございます。一国の首相がなんと、りんしょく(けち)なことをなさるのでしょうか。この場で憤りや疑義を問いただしたいところですが、ここは農政を議論する場……」
自民党から抗議を受けたというが、本人は意に介さない。苦笑しながらこう語る。
「『下品』はOKだけど、『下劣』はダメだとか言われまして(笑)。1年生議員の女があんなことを偉そうに言うなんてけしからん、ということじゃないですかね。いま、『桜を見る会』を入り口にして、国の情報管理というものが危機的状況にあることが明らかになっています」
内閣府は、招待者名簿はシュレッダー廃棄、電子データも削除、さらには削除した記録も残っていないという。野党議員が担当者への確認を求めても「確約したわけではない」と逃げる。
野党の追及本部で、石垣氏は名簿調査班のサブキャップを担当。11月22日の野党合同ヒアリングでは、内閣府の官僚に鋭く迫った。
「国の中枢機関である内閣府の記録が、こんなずさんな管理をされて、いいわけがございません」
そのうえで「公文書記録用サーバーの仕様書」「文書削除を行う際の運用マニュアル」など7点の文書提出を求めた。公文書が通常どのように管理され、削除する場合にはどのような手順を踏むのか。そのプロセスを理解すれば、文書の廃棄が意図的になされたものかどうかが明白になる。
内閣府の担当者は言い逃れできず、言葉に窮した。この時の動画はSNS上で拡散され、絶賛された。戦史・紛争史研究家の山崎雅弘氏も<これが本当の追及の仕方。官僚がのらりくらりはぐらかす遁辞(とんじ)など一蹴して構わない>とツイート。