「木内さんは柔軟さがあって、コミュニケーションのとり方がすばらしい。(司会進行は)いつも任せっきりで、注文をつけたことはありません。謝礼も一度もお渡ししませんでしたが、本当に熱心にやっていただきました」(鎌田さん)
事前に集会の登壇者の簡単な情報だけ伝えると、木内さんは自ら調べて当日は丁寧に紹介してくれたという。さらに、関連本も読み込んでいたそうだ。
「芸能界から運動にお呼びした中で、俳優の女性はおそらくただ一人。木内さんのおかげで堅い運動が柔らかくなっていき、輪も広がりました」(同)
鎌田さんが最後に木内さんに会ったのは、亡くなる2カ月前。東京・代々木公園で開かれた「さようなら原発全国集会」でだった。司会はもちろん、木内さんが務めた。
「活発で健康的、病気の話もなかったから、訃報には驚きました。木内さんの存在は本当に大きかった。寂しくなりますが、脱原発の日が近づいていると信じて、がんばっていきたいです。今までありがとうございました」(同)
通夜・告別式は行わず、「後日、当HP(「木内みどりの小さなラジオ」)に皆様からお別れのお言葉を残していただける場所を設置させていただく予定」と掲載された。(本誌・緒方麦)
※週刊朝日 2019年12月6日号