この疑惑は今年1月、サッカー部のコーチでもあったA教諭が、星稜高校を経営する学校法人「稲置学園」に上申書を提出して“告発”。学内では大騒ぎとなったという。
「金銭などをめぐる疑惑が、びっしりと書かれている。カリスマに盾突く内部告発で、衝撃でした」(星稜高校サッカー部関係者)
本誌はA教諭が提出した「上申書」全文を入手。数々の物証が添付されて、100ページ以上の分厚いものであった。
■主な内容は以下のとおり。
1 サッカー部の保護者会の会費、サッカー用品の購入代金などが、河崎氏や関係者の個人口座に入金。銀行通帳が開示されず適切な会計報告がなされていない疑惑。
2 サッカー部の保護者会の会計で「使途不明金」の存在が指摘されている疑惑。
3 一般社団法人Bが経営する接骨院へサッカー部の選手を「強制的」に通院させている疑惑。
4 学校内で河崎氏が一般社団法人Bの業務を行い「兼業」している疑惑。
5 出張していないにもかかわらず、虚偽の出張届を提出していた「カラ出張」の疑惑──。
申立人のA教諭は本誌の取材に言葉少なにこう語った。
「星稜高校、サッカー部の選手、OB、保護者のことを憂いて行動したまでです。今、第三者委員会で審議を頂いているので待つのみ」
一方、河崎氏に取材を申し込んだところ、星稜高校が書面でこう回答した。
「(河崎監督の部員へのハラスメントについては)現状において事実を把握していないが、早急に調査委員会を設置し、事実確認を行いたい」
A教諭が提出した「上申書」については「事実存在を含めて、当事者及び関係者並びに通報者において、極めて機微に触れる情報であるので回答は一切を差し控えたい」とした。
「上申書」の詳細は10月29日発売の週刊朝日で報じている。(今西憲之)
※週刊朝日2019年11月8日号より抜粋