一方で、「中高齢寡婦加算」と「寡婦年金」は、残された妻に子供がいない、もしくは子供が18歳以上である場合に支給される。前者は厚生年金に加入していた夫が亡くなったとき、後者は国民年金加入者の夫を亡くしたときに受給資格が発生する。どちらも年間の支給額が約58万円(寡婦年金は夫の加入期間による)。中高齢寡婦加算は残された妻が65歳になるまで毎年受給できるのに対して、寡婦年金は妻が60~65歳の5年間に限られる。当然、妻が60歳を超えていたら、その分受給期間は短くなる。

「死亡一時金」は、国民年金加入者で36カ月以上保険料を納めた人が老齢基礎年金などを受給せずに亡くなった場合に、残された家族に受給資格が発生するもの。ただし、残された妻が寡婦年金を受給した場合には受け取れない。その支給額は保険料納付期間によって変わるが、12万~32万円の範囲。支給額が限られるため、「妻が60歳になるまでかなりの年数がある場合や、シングルの国民年金加入者が亡くなった場合の父母・祖父母・きょうだいなどに、利用者は限られる」(同)。

週刊朝日  2019年10月25日号より抜粋

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