稲垣吾郎(いながき・ごろう)/1973年、東京都生まれ。88年、SMAPを結成。91年にCDデビューを果たす。2016年の解散まで国民的グループとしてさまざまな分野で活躍。今年、主演映画「半世界」が全国劇場で公開。文学や映画にも造詣が深く、大のワイン好きとしても知られる。8月30日から日本青年館ホールで主演舞台「君の輝く夜に~FREE TIME,SHOW TIME~」が上演される。 (撮影/写真部・東川哲也、スタイリング/黒澤彰乃、ヘアメイク/金田順子)
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稲垣吾郎さん(右)と林真理子さん (撮影/写真部・東川哲也、スタイリング/黒澤彰乃、ヘアメイク/金田順子)

 かつてドラマでソムリエ役を演じて以来、ワインにハマっている稲垣吾郎さん。作家・林真理子さんの故郷、山梨のワイナリーを巡りながらお二人が対談しました。

【写真特集】稲垣吾郎・林真理子 山梨・勝沼ワイナリー巡り

※前編【1万円のワインは高い? 稲垣吾郎が飲んできたワインがマジ、スゴイ】より続く

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林:私がいつもうちに常備してるのは、「オーパス・ワン」(カベルネ・ソーヴィニヨンを主体としたブレンドで、フルボディーのカリフォルニア高級ワイン)のセカンドラベルの「オーヴァーチュア」。1万5千円ぐらいで、ちょうど良い価格帯で、おいしいのよね。人のうちに行くときは、何も考えずにこれって決めてます。そういうワインを決めておくと、いざという時に便利ですよ。

稲垣:なるほど。「オーヴァーチュア」はいいですよね。下手したら、「オーパス・ワン」よりおいしい年もあるぐらいで。名前で高くなっちゃうワインもありますしね。

林:そうそう。

稲垣:昔、シャトー・ラトゥール(1855年の格付けで第一級格付けに選ばれたボルドー5大シャトーのひとつ)の人から聞いたんですけど、ワイン造りの担当者に「何年のが一番おいしかった?」って聞いたら、「八十何年の『レ・フォール・ド・ラトゥール』(「ラトゥール」のセカンドラベル)が一番おいしかった」って言ったんですって。

林:へぇ~、そうなんだ! そんなことってあるんですね。

稲垣:はい。年によってはセカンドラベルのほうがおいしくできちゃうってことも、なくはないことだよなぁと思って。

林:造ってる人が言うなら間違いない。いい話聞いちゃった。後でアマゾンで買っちゃおうかな。だけどワインの値段って、昔と比べてずいぶん高くなりましたよね。三十数年前にも、「ある大物作家のお中元はロマネ・コンティです」という話を出版社の人から聞いて、「偉い人はそんなに高いお中元なのか」って思いましたけど、今は1本100万円を超えるでしょう。そのとき、「林さんが直木賞を獲ったら、うちからロマネ・コンティをプレゼントしますよ」って言われて頂戴しましたが、今はないだろうなあ。

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