YouTube公式チャンネル「辻ちゃんネル」を開設した辻希美(c)朝日新聞社
YouTube公式チャンネル「辻ちゃんネル」を開設した辻希美(c)朝日新聞社

「子供が将来なりたい職業」で上位にランクインするなど、近年何かと話題のユーチューバー。動画共有サービス「YouTube」に自身で撮影、編集したオリジナル動画を公開することで、アクセス数やPVなどに応じた広告収入を得ることができ、人気ユーチューバーの中には億単位の年収を得ている者もいる。

 そうした中、元「SMAP」の草なぎ剛や女優・本田翼、お笑いコンビ「キングコング」の梶原雄太、さらに5月17日には元「モーニング娘。」の辻希美が、同23日には女優・夏菜がそれぞれYouTubeに公式チャンネルを開設し、ユーチューバーデビューを果たすなど芸能人の参入も増えているが、芸能評論家の三杉武氏は語る。

「ここ数年、若者のテレビ離れの影響などもあり、番組の制作費や出演ギャラは下降の一途を辿っています。加えて、遅々として進まない世代交代、“旬”と言われる消費サイクルの速さなど、テレビタレントを取り巻く環境は昔に比べると厳しさを増す一方です。芸能人が番組コンセプトや共演者、スタッフとのしがらみなどに捉われず、自己責任の範疇で比較的勝負しやすいユーチュバーという生き方に関心を示すのも自然の流れでしょう」

 そもそも、芸能人とSNSとの相性はYouTube誕生以前から良かったとか。

「ある程度売れた時期のある芸能人であれば知名度を活かすことができ、スタート段階で大きなアドバンテージになります。日本でブログが流行り出した時期には、真鍋かをりさんや中川翔子さんが“ブログの女王”と呼ばれて、その内容が書籍化されたりもしました。Instagramに関しても、同性からの支持の高いカリスマ性のある女性有名人がすすんで利用することで、オシャレなイメージが定着し、さらなる広がりを見せました」 (ITライター)

 今月16日には、山下智久がジャニーズ事務所の所属タレントとしては初となる公式インスタグラムを開設して注目を集めるなど、近年ではSNSを使っていない芸能人の方が少数派とも言える状況だが、その背景には主に2つの理由があるという。

「多くの人たちにメディアなどの“フィルター”を通さず、自分の言葉で情報を発信できる。そしてその行為自体が収入にも繋がるというメリットは大きいでしょう。今や芸能界屈指のブロガーとして知られる市川海老蔵さんも収入面はもちろん、ブログやInstagramを通じて自身や家族の日常生活を発信すると同時に若い世代に歌舞伎の魅力も伝えてファン層の拡大にも活かしている。SNSを上手く活用している好例ではないでしょうか」(前出のITライター)

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立花茂

立花茂

東京都出身。大学を卒業後、スポーツ紙の芸能記者として活躍。その後、週刊誌や月刊誌、ニュースサイトなどでも記事を執筆。得意ジャンルは芸能だが、取材対象はアニメ、競馬、プロレスなど多岐に及ぶ。最近はweb3.0にも興味あり。

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芸能人が参入するメリットは?