常に穏やかだったが、時折お疲れの様子で、陛下は立場上、孤独と向き合っているのだと古中さんは感じたという。

 ご学友は陛下のまじめなお人柄について語る。小山泰生さん(59)は、50年以上前から交流がある。

「勉強でも、計画を立てて、試験範囲をご自分なりに全部復習なさる。点数にはこだわらない。こつこつ、着実に身につけていらっしゃる印象でした」

 その姿勢は、陛下のライフワークの水の研究にも反映されているという。

「静かなる意欲を持っていらっしゃる。調査のために、地方での公務を終えた旅先で夜にお一人で外出なさることもあったそうです。資料収集のための私的旅行はなさいません。まずご公務があって、その先で調査ご研究をする。即位すれば公務が倍増します。それを見越して、公務の合間でもできる方法を模索していたのかもしれません」

(本誌・羽富宏文)

週刊朝日  2019年5月17日号