「~SHOCK」は今、ジャニーズのエッセンスを色濃く生かしながら、よりリアルにシンプルに、本格的なミュージカルとしてさらなる高みに向かっている。
「止めろよ、なんで止めねぇんだ。続けろ、続けろって、何を続けるんだ!?」
これは、コウイチの幼なじみでライバル役・ウチ(内博貴)の台詞だ。ちなみにこの役は、ジャニーズ若手にとってミュージカルへの登竜門。これまでも今井翼、錦戸亮、生田斗真、屋良朝幸たちが演じている。
彼らが追い続けるのは、コウイチの背中。まぶしく大きなその存在。舞台のその先にある夢や憧れ。そして焦燥。まるで、現実の彼らとシンクロするように見えてくる。
止まらないこと。続けること。この物語で、くり返し語られる舞台の約束。けれど、舞台を止めないのはコウイチなのか、何があっても続けようと命を賭けているのは光一なのか。虚なのか、実なのか。見ていると、その境界線がどんどんあやふやになってくるのだ。
「ショーマストゴーオン」
19年間。1700回。何度、彼は自分に、ライバルに、観客に問い続けたことだろう。毎回全力で生きて、落ちて、飛んで。これからも決してショーは終わらないのだと、彼は言う。まばゆいばかりの光を放つコウイチの顔に浮かび上がる矜持と孤高を、ぜひ生で見て頂きたい。きっと寿命が延びるから。
※週刊朝日 2019年4月12日号